最近読んだ本の感想です。
この本の帯の部分にも記載されているのですが、認知症の機能検査に使われている長谷川式スケールを開発。また呆けとか痴呆と呼ばれていた呼称を認知症へ変更した国の検討委員も務められた方の手記です。
「ボクはやっと認知症のことがわかった」長谷川和夫、猪熊律子 株式会社KADOKAWA
内容はすごく深いです。
当事者、従事者両方の目線で語られていてジーンと目頭が熱くなるところが何度もありました。
今の自分は「連続している」急に認知症になった訳ではないよ。昨日から、もっと以前からの続きで人が変わるわけではないよ。
あちら側の人間ではないよ置いてきぼりにしないで。
よく聴いてほしいんだ。
役割を奪わないで。
ジーンときた一文が、奥様のご実家にお食事に行ったときのお父様なのですが本文にこう書かれています。
「みなさまはどなたさまですか?どなたかわからなくて困っているんです」
とても不安そうな様子に、ここまで症状が進んでしまったかと家内もボクもショックを受けて、シーンとしてしまいました。どうしようか、何とこたえようか。そう考えていると、下の娘がこういいました。
「おじいちゃん、私たちのことをわからなくなったみたいだけど、私たちはおじいちゃんのことをよく知っているから大丈夫。心配いらないよ」
それを聞いて、義父はとても安心したようでした。
普通だと「何言ってるの?」とか「しっかりして」とおもわず言ってしまうと思います。
ですが子供はこころが純粋なので「あったかく」なってしまいます。
本当に気づきがいっぱいあると思います。
一度手にとってみてください。
わたくしたちも「あったかい」お食事つくりを目指しています。